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まるこそだて vol.12/12回(最終回)

前回のあらすじ

幼稚園を卒園し、小学校の支援学級に進学した長男。
生活の大きな変化の中、周りの人の配慮や、言葉で、一歩ずつ足を踏み出した今年の春。

まるこそだて vol.11/12回

今回で、【まるこそだて】は最終回になります。
子育て歴6年のまるこが、手探りながらも子育てという道を歩みなら
今思うことをお伝えできればと思います。

最近の長男の様子

長男の小学校生活が始まって、まもなく1学期が終わる。
相変わらず、送り迎えをしながら学校までの道のりを、親子で歩く日々。

今のこだわりは、半ズボンを履けなくなったこと(足がむき出しになるのが嫌なよう)、
事前に登校の時に私が自転車を押していくか置いていくかとか、
いつもと違うことがある時は伝えておかないといけないこと(見通しが立たないことへの不安が増している)など、日々色々ある。

長男が泣いて抵抗して、どうにもならない時もある。
そんな時、母として素直に受け入れられる日もあれば、
「それくらいのことで泣かないで」と思ってしまう日もあって、
まだどこかで、長男へ一般的な概念を求めてしまう、自分との戦いは続いている。

そんな親子の葛藤と歩みつつも、
長男は小学校や放課後等デイサービスには、今のところ楽しそうに通ってくれている。

でもある日、突然、長男の気持ちが溢れ出てしまった朝があった。
ずっと泣きながら、学校へ向かう登校の道中。

きっかけは些細なことだったから、それまでに、色んなことが積み重なっていたんだろうなと思う。
あまりにも泣くので、道の途中、登校する足を一度止めることにした。
学校に行くなら、長男の涙が止まってから進もうと、私も決めた。

立ち止まって、すぐそばにある植え込みのダンゴムシを見たり、
私が帰ろうとすると
「お母さん!反対だよ!学校行くの?」
涙をいっぱい目に貯めてそういう長男。

長男の精一杯の葛藤。
言葉足らずな中、気持ちが整わないのがすごく伝わる。

そしてまた、ダンゴムシを見て…
そんな状態がしばらく続き、
最後は、自分で「学校に行く」と決めると涙が止まった。

学校にゆっくり一緒に歩いていった。
足を止めてから、1時間ちょっとは待ったと思う。

結局、学校に行ってからも、
そして次の日からも、何事もなくまた登校できている。

1時間かけて送り届けたその日はさすがに、
親としてどうすれば良かったんだろうという気持ちが強く、落ち込んだ。
そして、正直、長男が持っている自閉スペクトラム症を憎らしく思った。

でも、また日々に追われていると、そんなことはどうでもよくなっていく。
そう考えると、流れていく日々も、なかなか悪くはないものだなと思うし、
笑顔で、長男次男が幼稚園や小学校に行ける日は、それだけで、本当に良かったね、と心底思う。

兄弟二人とも、笑顔で帰ってこいよ〜と願う日々が続いている。

子育ての形

子どもが生まれる前の私は、
間違いなく【普通は】【一般的には】という概念で出来上がった人間だった。

こうしなきゃいけないとか、私が思うことというより、
みんなそうやろうみたいな答えを、自然と選んできたように思う。

特に得意なことがなかった私は、
学校のように、運動面や勉強面などで人気者が決まったりする集団の中では、
本当に目立たない子どもで、
自分のことが好きではなかったし、自分はダメな人間な気がしていた。

子育てをするようになって、私が我が子に育てられのは、
【普通は】【一般的には】は、そもそもないということで、
こうして私が書かせていただいたエッセイも、十人十色ある子育ての中の1つの子育ての形なんだと感じる。

子育てをしている周りのお母さんたちは、誰一人同じ育児をしていないし、
子育てには、いつも小さな子どもへの心配があって、
悩んでいないお母さんなんて1人もいない。

私も悩める母でもあるけれど、でもすごく嬉しい瞬間もある。
私の元に、2人が生まれてきてくれたことは、
私の人生にとって、今までで一番の幸福だということは、胸を張って言える。
出会えて良かったと、長男のゆっくりな成長と、次男のありのままの成長も、どちらも宝物だ。
(でも長男次男と、旦那さんからは、よく怒る母やなと思われている自覚はあります。笑)

彼らが生まれてきてくれて、小さな赤ちゃんやった時、
そっと両手で抱っこして、腕の中で泣いたり、寝てくれたりする日がもう戻ってこないのと同じように、
今の日々だって、明日にはもう戻ってこない。

だから、泣いても、怒っても、立ち止まっても、またその都度、納得するまで考えていこうと思う。
そして、運動も勉強も頑張ってもできひん時でも、いつでも味方で、応援団で、帰る場所でいよう。

「おかん、うざいねん!」って言われたとしても、口きいてもらえへん日が来ても、テレパシーでも何でもいいから伝えたいと思う。
私を、我が子のように育ててくれた祖母がいつも言ってくれていた、私を支えてくれていた言葉。

「あなたは、私の宝物」

その言葉を、今度は私が子どもたちに伝え続けていきたいと思う。

(おわり)

Profile
まるこ
ライター ラジオパーソナリティー

京都市内で5歳、3歳の男子の子育て中。
福祉の仕事に従事し、FMおとくに毎週火曜日13:30〜【まるこのライク】でパーソナリティーを務めている。
また、京都の街でママもこどもが幸せに楽しく子育てできる場を作るMaManKYOTO運営メンバーでもある。

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