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まるこそだて vol.4/12回

<あらすじ>
発達検査で、発達に半年ほど遅れがあると言われた長男は療育に通い始めた。
2歳を過ぎ、初めて「おかあしゃん」と呼んでくれたことにとっても嬉しかった私。
そんな中、私は次男の出産を控えていた。

まるこそだて vol.3/12回

長男が2歳4ヶ月を迎える頃、私は次男を出産した。
出産予定日から2週間も早いお産だったので、
自分の出産と向き合う傍ら、長男はいきなり私と数日間離れて過ごすことに、大丈夫だろうかと不安でもあった。

でも、そんな心配をよそに、次男の産後5日ほど入院している間、長男は普段と変わりなく、夫と仲良く過ごしてくれているようだった。
お見舞いに来てくれる時も、笑顔で会いに来てくれて、正直ホッとしていた。
この調子やと、赤ちゃん返りも、なさそうだなと呑気に構えていた。
でも、それは見事に打ち砕かれることとなる(笑)

次男と退院して間もなく、せっかく「おかあしゃん」と呼んでくれていた長男は、さっぱり私のことを呼んではくれなくなった。
赤ちゃんのお世話に終始追われている私を、避けているようにも思えた。
その代わりといってはなんだが、夫からひと時も離れず「おとうしゃん」と何度も何度も呼び、家にいる間は片時も夫から離れず、夜は1日に何度か夜泣きをした。
夜泣きはあまりなかった長男なだけに、とても驚いたのと、まだ幼いながらも、自分の気持ちを言葉に出せず、行動で一生懸命気持ちを現す長男をみて、とてももどかしかった。
ずっと次男を抱っこする私に、お父さんまで取られてしまうのではないかという不安や、家に赤ちゃんがやって来たことへの戸惑い。
私も同じだった。
もっと長男にかまってやりたいし、思いっきり甘えさせてやりたい。
でも正直、そんな余裕も時間もなかった。
長男の我慢がいっぱいになって、私のもどかしさも溢れてしまったある時、長男を抱いて2人でワンワンと泣いた。

大丈夫。お母さんはどこにも行かへんし、何も変わらへん。

そんな気持ちで泣いた。
泣き疲れた長男は、少し安心した顔をしていた。
そのあと、久しぶりに2人で顔を合わせて笑った気がした。
こういう時間もきちんととっていこう。

そんな日々の中でも笑顔も同じくらい増えていった。
次男が生まれて嬉しかったことは、長男は赤ちゃん返りはしても、次男を叩いたりするようなことが一切なかったことだ。
次男が寝ているところに、ふざけて走って抱きつきにいくことはあったけれど、そこには次男に強く当たらないような、長男なりの配慮があった。
小さな、小さな赤ちゃんへの配慮。
とっても驚いたのは、言葉が遅い長男が、次男をあっという間に「あっちゃん(赤ちゃん)」と呼んでくれたこと。
長男は、感情を出すのが苦手と思っていたけれど、でも次男への優しさは思いっきり溢れていた。

そんな怒涛の日々の中、長男の赤ちゃん返りは1ヶ月ほどで落ち着いた。
そして次男が生まれて3ヶ月経つ頃には、やっと家族の生活のリズムもつかめてきたように思う。
といっても、2人育児になれない私は、子ども5人分くらい生活が大変になった気がしていたので、毎日目が回りそうな日々を送っていた。

「2人目は、ほっといても寝るよ〜」
という、どこから得たのかわからない情報を信じていた私は、寝るのが下手な次男に苦戦した。
2人目やからもっと上手く育児できると思っていた安直な考えは、見事に砕かれ、
育児は1人目か、2人目かとかじゃないなと確信し、夜中は白目をむきながら、次男を寝かしつけていた。

よく、発達に凸凹がある赤ちゃんは育てにくいという情報を聞く。
我が家の場合、長男が赤ちゃんの時の方が、断然育てやすかったような気がする。
どこにいてもスヤスヤ眠り、おとなしく、1歳前には幼児番組とプラレールに釘付けで、1人遊びの天才だった長男。
寝るまでの時間が長く、寝てもすぐ目を覚まし、1歳になるまでには、歩行器を乗り回して、やんちゃの兆しをみせていた次男。
人間が十人十色なように、赤ちゃんや幼児も誰一人おんなじように育つ子どもはいない。
子育てをする中で、いろんな子どもに出会い、また次男を授かったことで、私の視野が少し広がったような気がする。

そうこうしている間に、長男の幼稚園選びの時期に突入していく。
私は次男を抱っこ紐に入れつつ、いくつか幼稚園見学にいくことになった。

<つづく>

Profile
まるこ
ライター ラジオパーソナリティー

京都市内で5歳、3歳の男子の子育て中。
福祉の仕事に従事し、FMおとくに毎週火曜日13:30〜【まるこのライク】でパーソナリティーを務めている。
また、京都の街でママもこどもが幸せに楽しく子育てできる場を作るMaManKYOTO運営メンバーでもある。

Profile
心花kohana
イラストレーター | Website

40代主婦、絵も描きます。 発達障害当事者(ASD)があり二次障害の統合失調症があります。
発達障がい専門誌きらり。の表紙や、挿絵を担当した経験があり、他数冊の表紙絵や挿絵を担当したことがある。
ギャラリーで色鉛筆作品など絵画作品展示にも参加している。

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