【連載4】オムツがとれない!トイレでウンチができない!どうすれば?
入学前のハードル
一般的に、2~3歳でオムツは外れます。
ところが、発達障害や発達グレーの子どもたちの多くは、オムツがなかなか外れません。
お家のトイレで、オシッコ・ウンチができません。
ましてや、外では無理。
でも何とかしないと、幼稚園・保育園で困ります。
決定的なのは、小学校入学の暗黙の条件の一つが、
「学校のトイレで、一人でオシッコ・ウンチができる」ことなのです。
オムツの外れていない子には、かなり高いハードルです。
では、一体どうすれば?
実年齢でなく発達年齢で大丈夫!
4歳5歳になってもオムツが外れないのは、発達の遅れが最大の原因です。
実年齢は4歳半でも、発達年齢が2歳半レベルなら、オムツが外れてなくても何らおかしくないのです。
その場合、子どもを良く観察し、子どもの発達特性に合わせて、効率良く発達を促進させれば、問題は自然に解決します。
体内感覚とトイレ
発達障害や発達グレーの子どもたちは、
理性が未発達な分、感性を多用して生きています。
つまり、五感を多用している訳ですから、
五感はますます研ぎ澄まされ、感覚過敏になります。
その証拠に、
音の敏感,においに敏感、味に敏感、触れたものに敏感、見たものに敏感、となります。
そして、敏感さのレベルには個体差が出ます。
ですから、発達障害や発達グレーの子どもたちは、外部刺激に対して過剰反応します。
その結果、体外感覚ばかりに意識が行ってしまい、思考エネルギーはそこで使い果たされてしまいます。
ですから、思考エネルギーは体内感覚には回らず、意識が不十分となり、適切に反応できなくなります。
つまり、トイレに行ってウンチをするという行動がとれるのは、
オシッコ・ウンチがもよおしてきたのを体内感覚で感知し、それに応じた適切な行動がとれるからなのです。
お風呂でのトイレ・トレーニング
ところで、人間の脳といわれる大脳新皮質に情報を入力しても、継続的に行動を制御できません。
そのため相当の強い意志がないと「三日坊主」で終わります。
習慣的行動を制御しているのは小脳です。
小脳は大脳新皮質の10倍もの脳細胞を有しています。
癖や人格も小脳における神経回路の質量に依存します。
ですから、この小脳の中に、
「ウンチはトイレ」、「オシッコはトイレ」、
「ウンチやオシッコがしたくなったら、一人でトイレに行きます」
という意識の回路を形成するのです。
小脳に神経回路を形成するのには、1万回以上入力する必要がありますが、
これを10分の1以下に短縮する凄い方法があります。
それが、「10分間バスタイム楽習法」です。
親子でお風呂に入って1~2分すると、子どもの脳の血流が良くなります。
そしたら、
➀左の耳に
②目が笑っている笑顔で
③「ウンチはトイレ」「オシッコはトイレ」、
「ウンチやオシッコがしたくなったら、一人でトイレに行きます」と、10回以上囁きます。
大体3か月で小脳に定着します。
すると、習慣的行動として、ウンチ・おしっこの体内感覚が起きたときに、
無意識にトイレでウンチ・おしっこが普通にできるようになります。
睡眠時のトイレ・トレーニング
子どもが抵抗したときは、夜眠ってからトレーニングする方法もあります。
これだと、抵抗はされません。
睡眠には半覚醒時のレム睡眠と、深く眠った時のノンレム睡眠があります。
子どもが眠って5分後ぐらいに、
目が早く動く「ラピッド・アイ・ムーブメント」すなわち「レム睡眠」を始めます。
この時に、
「ウンチはトイレ」、「オシッコはトイレ」、
「ウンチやオシッコがしたくなったら、一人でトイレに行きます」と、10回以上囁きます。
すると、大体4か月で小脳に定着します。
ただし、子どもが眠ってからの5分が待てずに、親が先に眠ってしまってはいけません。
くれぐれもご注意ください。
トイレでのトレーニング
最後は、トイレの現場でのトレーニングです!
ポイントを7つ整理してお伝えしますね。
①親の目が笑っているかチェック!
まずは、親の目が笑っているか、トイレの鏡で確認してください。
そして一呼吸して、絶対に焦らないでください。
子どもには、親の“鬼の顔”を見せてはいけません。
声質も「ラの高さ」でお願いします。
大きい声を出さないでください。
囁くぐらいが良いのです。
②努力したことを褒めましょう!
ウンチが出なくても、どんな結果であれ、
親の希望に付き合ってトイレに入ったのですから、その努力を認め、褒めてください。
子どもは親の笑顔と褒め言葉を求めて行動する特殊な生き物です。
たとえ失敗しても、「良くチャレンジしたね」「偉いね」といってあげれば、
動機づけられて、再チャレンジしようとしますから、成功する日が早くなります。
③トイレに足がついているかチェック!
家庭用トイレは大人用なので、足がつかず力が入りません。
ですから、きばれません。
便座は子どもには大き過ぎて、過剰ストレスです。
恐怖すら感じます。
幼稚園や保育園のトイレの便器は、子ども用でミニサイズです。
トイレの中に子ども用のミニ便器、すなわちオマルを買い揃えるとベターです。
足も着き、きばれます。
座っただけでも大げさにホメまくりましょう。
成功が早くなります。
(踏み台を置くなどでもOK)
④トイレタイムを楽しいタイムにしよう!
トイレが嫌な時間になっていませんか?
例えば、トイレで絵本を上手に読み聞かせて楽しいタイムにすれば、トイレタイムを嫌がらなくなります。
楽しさを感じて緊張が緩和すれば、腸の蠕動運動もスムースになり便が出やすくなります。
⑤嫌がったら、無理にさせないで!
嫌がった時は無理やりはやめましょう。
ストレスで脳が炎症を起こし「うっ血」してパニックになるからです。
その時は、「背骨さすり」です。
「手足のツボを押す」のも効果的です。
脳のうっ血が軽減し、興奮状態が緩和して落ち着きます。
そうしたら、「良くがんばったね。偉いね」とホメまくりましょう。
⑥ウンチはかたい?やわらかい?
子どものウンチが固いかどうか、色を見て下さい。
水分が少ないと固く黒く見えます。
水分が80%を超えるように、食物繊維の摂取を増やしましょう。
フラクトオリゴ100や粉末野菜の底力を飲ませると食物繊維の増加によって水分のキープが促進され、便が出やすくなります。
⑦お腹を冷やしていませんか?
お腹は冷やしてはいけません。
腸が冷えると蠕動運動がしにくくなり、栄養吸収も悪くなりますが、
腸の滞留時間が長くなると水分の吸収が進んで固くなり、出にくくなります。
そんな時は、お母さんの両手を30回以上回摩擦してください。
その温かい手をお子さまのお腹に手当してください。
そうすると、腸の蠕動運動が活発化して、栄養吸収も促進しますが、同時に排便も促進されます。
腸の体温が上がると免疫力も上がり病原菌などに対抗できますし、成長ホルモンの分泌が促進されますので、一石何丁もの効果があります。
ぜひ参考にしてくださいね。