【連載7】兄弟姉妹で発達障害の困りがある場合、どうする?
発達障害と診断されたり、グレーゾーンと思われる子どもの数が年々増えています。
その中でも、兄弟や姉妹で発達障害というケースが多々見受けられます。
これは一体どうしたことなのでしょうか。
子どものサバイバル戦略
環境変化に適応できなければ、私たちも恐竜のように絶滅します。
子どもの場合も例外ではありません。
生まれて初めて体験する生活環境からの全刺激に対し、体全体で本能的に反応し適応しながら成長します。
困った行動の原因
人間の最大の特徴は、脳が大きく発達している点です。
脳はコンピュータでいうCPUです。
身体の神経活動の総司令部です。
脳が機能障害を起こしたり、脳に間違った情報が入力されたりすると困ったことになります。
敏感で過剰反応する発達障害児の場合、
右脳と左脳の反応バランスが崩れ、健常児に比べて異常と思われる行動をとり始めます。
上の子の困った情報を下の子が学ぶことでも、困った行動をとり始めます。
子どもは右脳的・大人の脳は左脳的
子どもの脳は、右脳中心に本能的反射的に反応します。
自意識が未発達なために、
➀見たモノ
➁聞いたモノ
➂触れたモノ
が自分になります。
つまり、生活する環境からの全情報に大きく影響されます。
上の子の存在は下の子にとって、拒否できない環境要因なのです。
親の知的レベルが高まると、子どもとのギャップは拡大します。
知識を学ぶ過程で左脳化するからです。
親が左脳化すると、右脳的な子どもとのギャップが拡大し、意思疎通が難しくなり、子育ても難しくなります。
イライラが高じて、やがて乳幼児虐待がはじまります。
鬼の笑顔は、子育ての大敵
左脳はストレス脳です。
理屈中心になるので、目が笑わなくなります。
親の目がきついと感じると、子どもは目を合わせなくなります。
親の心に愛情が一杯あっても、表情が優先しますので、鬼の影響が出てしまうのです。
コチョコチョ体操で目が笑うと、
表情からストレスが消え、親子間の周波数が合いやすくなります。
共振共鳴が起きやすくなり共感力が高まります。
そして、コミュニケーション効果が促進され、親子が一体化し、子育てが楽になります。
学習の語源はマネ
マネすることは重要なスキルです。
マネ → マネル → マネビ → マナビ → 学び → 学習
へと変化します。
下の子にとっては、上の子の行動をマネして、
同じ行動がとれるように学習することが、
同じ環境で生き残るために不可欠だと本能的に感じます。
上の子が異常行動を起こしている場合に、
それを本能的反射的にマネすると、下の子にとってマイナスになります。
右脳全盛期の幼い下の子にとって、
上の子の行動に常に接し、見て聞いて触れていると、
同じパターンの情報が大脳新皮質の右脳から何度も繰り返し入力され、
深層意識層(帯状回や小脳)に神経回路が短期間に形成され定着します。
すると、無意識に上の子と同じパターンの行動を始めると考えられます。
最近、親の発達障害のよる影響も目立っています
戦後の高度社会の進展に伴い、子どもが育つ環境が悪化し、過剰ストレスを感じるケースが増えています。
50年前、発達障害は余り目立ちませんでした。
しかし、30年前から少しずつ知的な発達障害が増えはじめ、数世代をリレーして蔓延してきたのです。
最近では、兄弟姉妹だけでなくパパママの発達障害によって強く影響を受け、
正常行動が取りにくくなる子どもも増えています。
解決法は、新しい時代の子育て法
脳科学的子育て法を学ぶことによって、
親が自己意識をコントロールすることで行動を変え、客観的に対応することができます。
これが、新しい子育ての姿です。
脳科学による子育て法、連載しています。
よかったら読んでみてくださいね。
お知らせ
鈴木昭平先生の新刊が2021年10月25日に発刊されました。
<本の紹介>
発達障害は、脳の仕組みが少し異なっているだけです。
その仕組みを生かして特性を伸ばせば、その子の才能は大きく花開きます。
例えば、左脳と右脳の働きのバランスで、言葉の発達が遅れたり、
我慢ができなかったり、パニックを起こしたりという症状が出て しまうのです。
親の意識を変えるだけで、普通レベル以上にグングン伸びていきます。
親の本気が子どもに変化をもたらす、
発達障害と言われたわが子が信じられないほど成長!
不安と苦悩のなかで子育てをしていた
「この子、このままで大丈夫かな?」
「なかなか言葉が出てこない、ちゃんと話せるようになるのかな?」
「この子、集団の中にうまく入っていけるのかな?」
「突然パニックになったり奇声を上げたりする」
「親と視線を合わせようとしない」
「2歳までは順調だったわが子に次々と症状が出てきて発達を疑いはじめた」
「危険な子とレッテルをはられて辛かった」
「絶対支援級へ、と言われて戸惑う毎日だった」
「子どもへの指示が通らないことにイライラしていた」
「自閉症スペクトラムとADHDと診断されて不安と焦りで力が入り過ぎていた」
「自分の思い通りにならないと頭を床にぶつける」
わが子が発達障害であるとわかった瞬間、不安のどん底に沈みそうになりながらも、
わが子の未来に希望を見つけてチャレンジした12家族の物語。
脳の仕組みに着目した家庭教育を実践するなかで子どもの改善と成長が促されていく様子が語られている。
現場の親御さんが体験した実話であるため本気度が伝わってくるとともに、
発達障害と向き合うためのヒント、子育ての知恵がたっぷりと語られている。
「子どもの目つきが変わり、3カ月で言葉がたくさん出てきた」
「できないこと探しが幸せ探しにどんどん変わっていった」
「子どもができることがどんどん増えてやる気が出てきた」
「この子がいるから家族が団結できる」
「小さな積み重ねが成長につながった」
「固定概念から解放された瞬間、子どもに驚きの変化が起こった」
著者鈴木の指導経験と、監修の篠浦医師の脳科学的な裏付けに基づく
独自の教育法に取り組んできたご家族のお子さんの経過を追った子育ての物語であり、ハンドブック。