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まるこそだて vol.10/12回

前回のあらすじ

幼稚園の年長になった夏、排便をトイレですることに挑戦した。
長男がというより、親子で挑戦した思い出。
それは、彼のできることだけを尊重するのではなく、
できる力があることを見極めて、一緒に頑張ることを教えてもらったような出来事だった。

長い時間がかかった暑い、熱い夏の思い出。

まるこそだて vol.9/12回

 

長男の変化

幼稚園年長の夏休みが終わり、新学期が始まった。
幼稚園の中では、同じクラスのお友達に助けてもらいながら、
決まったお友達のそばにいることで安心を感じ、
園生活を過ごすようになった長男。
以前は子どもたちの輪から離れようとしていた長男からは考えられないことだとだった。
先生への信頼から、同学年のお友だちへの信頼に繋がってきているようだった。

昨年の秋は、行事で予定がいっぱいだった。
コロナ禍で、開催が難しい行事を
幼稚園がなんとかして実施しようと尽力していただき、
長男の幼稚園最後の行事は、ほとんど中止されることはなかった。

でも、私は本当はとても心配だった。
年長になると、すべての行事において、やることのレベルが上がる。
長男はどこまでついていけるだろうか。
自分を否定したり、それで自信をなくしたりしないだろうか。

いろんな想いで、行事前はソワソワして過ごした。

行事で見られた長男の成長

お泊まり保育の代わりに、
山登り、キャンプファイヤー、パジャマパーティーをするような行事があった。

お迎えは夜ということもあり、
長時間楽しんでいるかな、泣いていないか、ご飯は食べているか、不安があったが、
いざお迎えに行くと、パジャマで笑顔の長男が駆け寄ってきた。

誰よりも催し物を楽しんでいたと後から先生からお聞きし、
肩の力が抜けたのと、嬉しいのと、少し寂しい気持ちで、
長男が一歩ずつ大きくなっているんだと身にしみて感じた。

まだまだ小さい長男だけれど、
なんとなく、いつかこの人は、自立するんだよな、と思った。

そして秋の運動会。
年長の種目の中には、運動場のトラックを、1人一周走るリレーがあった。

リレーというチーム戦に、
周りに迷惑をかけないかなど、いろんな心配が頭をよぎり、
運動会の前日は私が寝られなかったのは言うまでもない。

とにかく、リレーだけでも最後まで走って欲しいと思いながらも、
走っている絵面が浮かばない(笑)
考えれば考えるほど寝られなかった。

長男には、頑張れとは言わないように心がけ、
「運動会、楽しんでね」と声をかけるようにした。

そしていざ当日、
最初こそ泣いていたけれど、
いつもの同じクラスのお友だちが迎えにきてくれ、気持ちを整えたのも早かった。

かけっこ、ダンス、できているかどうかは別として、
どれも長男を気にかけてくれるお友だちがそこにいてくれる。

そこは、お母さんがいない、小さな社会みたいで、
私もなるべく遠目から眺めるように心がけた。

そして、肝心のリレー。
なんと・・・第一走者でスタート地点に立つ長男。

聞いてないよ〜!という気持ちの私(笑)そして、長男が走り出した。

手にはしっかりバトンが握られ、
走っているのかスキップしているのか、わからないような足取り。
他の走者からだいぶ遅れて走る長男だったけれど、うんと笑顔でトラックを駆けていた。

応援してくれる先生や、お友だちの声援が背中を押してくれているような、
僕は走っている!と伝えてくれているような走り。

トラックを一周、最後まで走り抜くことができた。

そのあと、同じチームの子たちが、うんと頑張っていて、
なんと長男のチームは1番になった。

あとで先生に聞くと、
チームの子たちは何度も相談して、どうしたら勝てるか作戦会議をしたと聞いた。

子どもの力は本当にすごい。

そして、母親の私が、
長男は、きっとできると信じたかったと心の底から思った。
笑顔で最後まで走る長男の姿は、
本当にかっこよかったし、
何より走りながら自信に満ちた長男の笑顔はきっとずっと忘れないと思う。

そして、リレーという種目を通して、
チームとしてどうしたら勝てるかという作戦会議は、
長男のためではなく、
それぞれの子どもが一生懸命勝ちたい一心で作った過程。
それが嬉しかった。

安心は一瞬

運動会が終わってふと感じたことがある。

一つ、一つ、幼稚園の日々、行事を終えて、ホッとするのは一瞬だけ。
いつもそこから、また新しい道が続いている。

ここで幕を閉じたのは運動会なだけで、
ここからも長男の生活発表会や、小学校に入学までの学校とのやりとりがはじまった。

もちろん、日々の生活も同時に進行していって、
その中でも小さいことはいろいろある。

運動会が終わるまでは、大きな壁のように感じ、
その先のことを考える余裕などなかった。

それは、やっぱり長男のことが心配で、
幼稚園のことも含めて、いつも長男のことを把握してないと、
私自身が不安だったのかもしれない。

でも、子どもが乗り越えたこと、達成したことは、
目には見えないけれど、
なんらかの自信や、自分を認めてあげられるものとして身になっている。

この頃になってようやく、
幼稚園でやることは幼稚園にお任せしよう、きっと大丈夫、信じようと、心から思えた。

そう思えるまで、本当に時間がかかった。

Profile
まるこ
ライター ラジオパーソナリティー

京都市内で5歳、3歳の男子の子育て中。
福祉の仕事に従事し、FMおとくに毎週火曜日13:30〜【まるこのライク】でパーソナリティーを務めている。
また、京都の街でママもこどもが幸せに楽しく子育てできる場を作るMaManKYOTO運営メンバーでもある。

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