私の発達障害特性の今までとこれから
みなさん始めまして。私はあきふみといいます。
私にはADHDの傾向があり、幼いころからこの特性のせいで苦労してきました。
今日はそのことについてお話していこうと思います。
生まれてからの私の特性と困り
まず、私に発達障害があるかもと気づいたのは母でした。検診に呼ばれたほかの子と見比べても発達に遅れが見られ、検診に呼ばれる回数もかなり多かったそうです。通常、2歳くらいになるとほかの子と遊ぼうとするところを、自分は一人で遊ぶ時間が多かったそうです。このころから、私には「他人が怖い」と無意識で思っていたのかもしれません。
集団行動が基本となる小学校に入学して以降から、私の特性は目に見えて明らかになったそうです。
まずは多動性であり、興味を持ったことに夢中になり集団行動から外れてしまうことがよくありました。
二つ目は注意緩慢で、これは様々なことに興味を抱いてしまい、多動性と組み合わさって作用することが多いです。
三つめは視覚情報に依存し聴覚情報に弱いという特性で、注意緩慢特性と組み合わさって、先生からの重要な連絡事項を聞き流してしまい、期日になって大慌てになることがたくさんありました。
また、感情の起伏の激しさも問題でした。私自身にほとんど記憶がなく母の証言によるものですが、ものすごく怒ったかと思えば次の瞬間には楽しいことで笑い転げていたそうです。このようにほかの多くの子と違う自分に対し、先生も生徒も対応に困ったことでしょう。
これらとは別に、体の「軸」が不安定という問題も抱えていました。今でこそそうでないものの、昔の自分は手でものをつかむことが苦手で、フラフラとまっすぐ歩くことが難しかったそうです。このことが両親を大いに心配させたことは想像に難くありません。
はっきりと自分が発達障害を持っているといわれた記憶はありませんが、それでも自分にはこういう弱いところがあるとたびたび母から言われました。
大変な中でもよかったこと
大変なことが多い人生ですが、大変なだけではありませんでした。
まず、体のバランスが悪いという問題は、中学生のころに母が見つけてくれた奈良の生駒の病院の先生から「ブレインジム」という脳を刺激する効果のある体操を教えてもらい、これを毎日続けた結果、体の軸が安定し、まっすぐと歩けるようになりました。また、このクリニックで発達障害の症状などを抑える効果のある漢方薬を処方してもらったことで、メンタルの調子も幾分か安定するようになりました。
それ以外では、高校時代に文芸部に所属できたことも私にとってはとても大切な時間となりました。これまでほとんど経験のなかった、同じ趣味を持つ仲間と一緒に過ごす時間というものを体感できたからです。部誌を作成するために絵や詩や小説を持ち寄るだけでなく、部室に集まって人狼ゲームなどに興じる時間は、今でも思い返すことができます。
一人暮らしと大学生活
そんな自分のこれまでで、一番の困難な時期はおそらく4年間の大学生活だったかもしれません。
というのも、自分が通うことになった大学は実家から遠く離れていて、一人暮らしをするしかなかったのです。そして、親兄弟と物理的に引き離されたことで、何か問題を抱えてもこれまで同様にサポートをもらえなくなることを意味していました。
さらに、これまで書いてきた注意緩慢や聴覚情報の弱さなど「情報収集能力の低さ」が、大学での授業登録のやり方や講義の場所の把握や提出物の有無や休講情報の確認といった、多くの部分で問題を引き起こしました。幸い、小学校や中学校の時とは違い、授業中に騒ぐなどの問題は記憶の限りありませんでしたが、単位に必要なレポートを提出期日ぎりぎりになって気が付くなどのトラブルはたびたびありました。遠方の大学で知り合いがいないのも、これらの問題解決を困難にしました。
ですが、悪かったことばかりではなく、勉強自体は楽しく卒業に必要な単位数を余裕で超える単位を取得していました。一人暮らしを四年間経験したことで、家事などの自立に必要な社会スキルを向上させることもできたと思います。
得意なことと今後の課題
こんな自分ですが、得意なことがないわけではありません。
私は報告メールからレポートなど、文章を作成することが得意です。これは、かつて文芸部に所属していた時に、部誌に投稿するために日々PCのキーボードと向き合い続けたことで身に付けたものです。ほかにも、集中力が高く、一度やると決めたことは最後までやり遂げる努力ができます。
その反面、疲労を押し切って作業を続け、疲労を蓄積してしまうという問題も抱えています。これに対しては、最近スマホのタイマーを設定することで小刻みに小休憩をとることができないかという試みを始めています。記憶が苦手という問題も、ペンとノートでメモを取ることで問題の緩和を試みています。
今とこれからの自分
現在は、就労支援以降事業「エンカレッジ京都」にて、ビジネスマナーやコミュニケーション能力など就職にあたって必要なスキルなどを磨いています。発達障害の特性も昔に比べてみるとかなり落ち着いており、このまま就職して自立することを目標としています。
発達障害の特性は程度の差はあれ、すべての人間が持っているといわれています。みなさんも、もし発達障害があったりしても絶望したりせず、クリニックや行政のサポートの手を借りるなどの行動を恐れることなく、積極的にしてみてください。